JTCでは非効率な慣習が残っていますね。典型的なのが、承認のハンコをもらうスタンプラリー。

JTCは意思決定が遅い。
とよく言われる理由がこれです。とにかくいろんな人のハンコをもらわないと物事が前に進まない。
ただ、一見非効率に思えるこのスタンプラリーですが、仕事を進めていく上で実は合理的だったりします。
本記事では、JTCの非効率な慣習の裏にある構造的な理由を解き明かし、この企業文化に耐えられない人が取るべき「戦略的な立ち回り」を論理的に解説します。
JTCの意思決定はなぜ遅いのか?「スタンプラリー(ハンコ)」の実態
回覧に3週間。書類が山に埋もれて行方不明になる日常
私の今いる部署では書類を発行するために○○長のハンコがいくつも必要になります。
まずは私が書類を作成して回覧に回すのですが、
- 課長補佐
- 課長
- 隣の課の課長
- そのまた隣の課の課長
- 部長
- 部門長
といった順番で書類が回覧され返ってくるまでに3週間くらいかかることもあります。(笑)
一度、書類の山に埋もれて無くされたこともあったので、返ってくるのが遅いとき無くなったのかまだ回っているのかが分かりません(笑)
よく聞くのが、アメリカやヨーロッパでは少人数で意思決定していくので、仕事をスピーディーに進められるそうです。
そういう話を聞くとJTCのスタンプラリーは非効率に思えてきてすぐにでも是正すべきと考えてしまいます。
私は新卒の頃はスタンプラリーで待たされるたびに、まどろっこしさを感じていました。
また、部長、部門長あたりになると回覧される書類の数が多いので、実際のところ中身はほとんど精査できず、形だけの承認になっているはずです。
この点でも無駄に思えますね。
誰も発言しない「大会議」も、スタンプラリーの亜種である
似た様な話ですが、JTCの会議は参加者がとにかく多いです。ちょっとした決め事でも大会議になります。
聞いているだけで発言しない人も多数いるのと、一時間の会議で一言二言しか話さない人とかもいます。
「この人は何のためにいるの?」と、これまた新卒の時には感じていました。
本当に必要な人数に絞ってやれば、それ以外の人は他の仕事ができるので生産性が上がるはずです。日本の企業の生産性が低いと言われるのはこの辺りが原因なのではと思っています。
無駄に見えるスタンプラリーがJTCに「必要」な合理的な理由
失敗=非難の的?日本企業特有の「犯人探し」と挑戦を避ける心理
日本人はリスクを取ることをとにかく嫌がります。
資産運用でもその傾向は現れていて、株や債券ではなく現金を保有する割合が他国よりも高いと言われています。
ただ、会社で社員全員がリスクを取ることを嫌がると、当たり障りのないことしかできなくなります。お金のかかる設備の購入などは中々決断できなくなります。
もし、
- 課長補佐
- 課長
の2人だけで意思決定できたら、仕事のスピードは速くなります。ただ、何か失敗して犯人捜しをした場合、課長がほとんどすべての責任を負うことになります。非難の的になってしまうわけです。
犯人捜しは基本起こりますね。「原因」探しではなく、「犯人」探しといった感じになるのが何とも。
犯人が確定すると、他の人は自分が責められなくなるのが確定するので、ほっとした表情になっています(笑)
こうなると次からこの課長はリスクの高そうな意思決定を嫌がるようになります。そして、新しいことには挑戦せず十分実績のある、これまでと同じようなやり方を取るようになってしまいます。
ハンコが増えるほど責任がシェア(分散)され、意思決定が可能になる
こういうときにスタンプラリーが効力を発揮します。
先程の例と同じで
- 課長補佐
- 課長
- 隣の課の課長
- そのまた隣の課の課長
- 部長
- 部門長
のようにハンコを押す人が多い場合は、責任は部門長、部長、課長×3人で分担することになります。もちろん等分ではないにしても一人で抱えるよりは大分軽くなります。
こうすることで「失敗しても大丈夫」と思えるようになり、ある程度リスクを取って意思決定できるようになります。
このくらいやっておくと、失敗しても責任をシェアできるので安心して挑戦できるわけです。
スタンプラリーはJTC経営陣の怠慢でDXが進んでいないから残っているわけではなく、責任を分散させる防御装置という合理的な理由があって残っているわけです。
非効率な企業文化が嫌な人向けの「生存戦略と立ち回り」
一見無駄に思えるスタンプラリーに意味があることがわかりました。ただ、非効率な慣習がどうしても嫌な人もいると思います。
私もほんの些細な決め事でもスタンプラリーを回すのは、さすがにしんどく感じます(笑)
この場合にどうするか考えたいと思います。
転職(外資・ベンチャー)でスピードを得る代償とは
すぐに思いつくのがこれです。外資系企業、ベンチャー企業はJTCとは企業体質が違うと聞きますので、こういったところに転職してしまうのが一つです。
ただ、メリットの裏返しで仕事のスピード感は上がりますが、失敗したときの責任もシェアできなくなります。
また、JTCから転職する場合はJTCならではの福利厚生が転職後も利用できるかは事前に調べた方が良いと思います。私の場合は、会社の安い独身寮を利用し資産形成を進めることができました。
JTCの特権を維持しつつ、承認者の少ない「子会社・小部門」へ異動する
これも一案になります。私は同じ会社で複数部門を経験していますが、小さい部門だとスタンプラリーの数も少なくなります。
所帯が小さいと、例えば
- 課長補佐がいない
- 部長が課長を兼任している
という事情で、ハンコを押す人が少ないです。そのため承認手続きが圧倒的に速いです。
また、子会社になると親会社と違うルールを運用していたりして、承認手続きを簡略化している場合もあります。
意思決定の迅速化を目的として、ある部門が独立して子会社になるという場合もあるようです。
また、この場合は独身寮などのJTCならではのメリットも享受することができます。
希望の部署に異動するには社内公募制度の活用が現実的です。会社からの辞令を待つのではなく自分から異動をすることができます。
まとめ
JTCの一見無駄に思えるスタンプラリーについて、どういうメリットがあるか書きました。
この記事のポイントをまとめます。
- 日本人はリスク回避的
- スタンプラリーにより、リスクを分散して仕事を進めることができる
- JTCの中でも、規模の小さい部門や子会社ではスタンプラリーが少ない場合もある
会社員をしていると色々な悩みを抱えます。
有給は当然の権利のはずですが、取りにくい雰囲気があり消化しきれていない人も多いのではないでしょうか。ですが、忙しくても有給を取らないとますます取りにくくなる構造があります。
職場の人間関係については誰もが少なからず悩みを抱えていると思います。しかし、人間関係のトラブルの原因はコミュ力ではなく、JTCの構造的な原因です。
本文中ではJTCの独身寮に住んで資産形成をする話を書きましたが、年齢制限があったりして必ずしもずっと利用できるわけではありません。入社後、持ち家を買うベストなタイミングについては以下の記事で考察しています。






