「権威からの命令さえあれば、平凡な人間でも残酷になれる」。

ホロコーストの戦犯・アイヒマンの心理を分析するために行われた「ミルグラム効果(アイヒマン実験)」は、決して歴史上の話ではありません。「権威による裏付け」さえあれば人は簡単に暴走し、それは現代のJTCでも全く同じように起きています。

本記事では、「課長から何をやらせてもいいと言われている」と大義名分を得た途端に豹変した課長補佐の暴走という私の実体験から、JTCで繰り返されるこの異常なリアルと、修復不可能な人間関係から抜け出す合理的な生存戦略を解説します。

上司の権威への服従(ミルグラム効果)が生むJTCの異常行動

「課長から何やらせてもいいと言われている」と豹変する課長補佐

ある上司の話です。

その上司とは関係がギクシャクしていて承認依頼をメールで送っても、数日放置するなど承認を渋るような感じになっていました。ちなみに他の上司の時は数時間で承認が下りるか、同程度の時間で書類の修正コメントが返ってくる、といった感じでした。

当時の仕事は小さいものだと数日で仕上げて承認をもらって完了させていくようなスピード感で、大きな金額が動くようなものでもなかったです。そのため、基本的にサクサク承認が下りるような感じでした。

こんな関係性になっていたので、その上司も私に仕事が振りにくい状態になっていたと思います。そして、私に仕事を振るという作業を課長補佐にやらせるようにしたんですね。

ただ、この課長補佐は私と年齢が近いのですが、人間としての相性は良くなくお互いにあまり関わらないようにしていました。当然、プライベートの付き合いはなく、仕事の時だけ最低限の当たり障りのない会話をする程度の関係性でした。

そのため、私に仕事を振るのはやりづらかったと思います。

そんな課長補佐が課長から私に仕事を振るように指示されました。

すると何と言ってきたか。

課長補佐

課長から何やらせてもいいって言われてるから。

すごく自信に満ちているような感じで、堂々としていて胸を張って言ってきましたね。

目にも力が入っていましたね(笑)

このとき課長補佐が強気になれたのは、ミルグラム効果そのものです。

嫌がる相手に無理やり仕事をさせることに抵抗はあったはずですが、権威者(上司)から「何をやらせてもいい」という後ろ盾をもらったので強気になったわけです。

ちなみに、言われた側としてはものすごく反発心が生まれましたね。

相手を力でねじ伏せようとすると反発する、ということが予想できなかったんでしょうね。私もされるまでわからなかったです。

もし自分が指示する立場になった時は気を付けようと思いました。

ちなみに、その後この課長補佐が私の腕をつかんでくるところまで行きましたね(笑)「権威者の指示に従っている自分は絶対に正しい」という考えが無いと、ここまではできないですね。

あるいは以下のような展開を期待したのでしょうか。

課長補佐

課長から何やらせてもいいって言われてるから。

そうなんですね、課長から何をやらせてもいいって言われてるんですね。承知しました。何でも言ってくださいね。

私がこれを言われた時の感情を考えると、こんな展開にはなりえないです。(笑)

結果、この課長補佐との関係はかなり悪化しました。

部下への力ずくのマネジメントは必ず破綻する。反発を生むだけの愚策

商売でも似た様な場面はあると思います。

商品をゴリ押しで買わせようとすると客は買わない。逆に「よかったら買ってください。」くらいの言い方の方が、客が自分の意思で決めた気になるので買いやすくなりますね。

押してダメなら引く、みたいな。

仕事の中でも、これは当てはまります。無理やりやらせようとしても上手くいかない。

こういうことを考えると、部下のマネジメントは難しいなと思いますね。会社だと当然合わない人もいるわけで、そういう人にも嫌がる仕事をやらせないといけない。

自分が命令される側でもする側でも苦労を抱え込むことになるので、会社員でいる限り逃れられない問題です。

ちなみに、こういうマネジメントが苦手な人でもJTCで出世することは可能です。他の人よりも圧倒的に優位な点があれば、合わない部下がいてもゴリ押ししていけます。

ミルグラム効果がもたらす「必然的な人間関係の破綻」。修復不可能な職場からの合理的な生存戦略

普通のJTC社員はミルグラム効果なんて知っているわけはなく、権威がある上司から命令されたらそのまま強気で部下に向かっていきます。一方で、もし無理やり仕事をさせるとうまくいかないことがわかっていても、上司の指示には普通逆らえないわけです。

要は私が経験したことと似た様なことは、どこのJTCでも何度でも繰り返されているはずです。

私の意見では、上司や課長補佐との人間関係が悪くなった時点で、解決不可能と割り切った方が良いです。その際の立ち回りを考えていきます。

感情を無にして「社内公募」で物理的に環境をリセットする(異動・転職)

JTCという組織において、権威の言いなりの人間や、力ずくで部下を動かそうとする上司と真正面から戦うのは、時間と精神力の無駄です。相手の性格やマネジメント手法を変えることは絶対にできません。

人間関係がここまで悪化した時点で、その職場でのキャリアは「解決不可能」と割り切り、早急に損切りするのが最も合理的な選択です。

経験上、現状維持はろくなことが無いです。失うものが大きいです。

転職して会社ごと変えてしまうのも手ですが、JTCの強みである「社内公募制度(社内転職)」を使えば、現在の給与水準や福利厚生を維持したまま、このような異常な人間関係から物理的に距離を置くことができます。

究極の防衛策。FIREで理不尽な「環境」から完全に脱出する

異動や社内公募で一時的に環境を変えられたとしても、JTCというシステムに属している限り、また別の理不尽に遭遇するリスクは消えません。

自分が命令される側であれ、する側であれ、会社員でいる限り人間関係の不毛なトラブルからは逃れられないのが現実です。

だからこそ、この理不尽なゲームから永遠に降りるための「FIRE(経済的自立、早期退職)」が究極の防衛策となります。給料を維持しながら淡々と資産形成を加速させ、「いざとなればいつでも辞められる状態」を作ることこそが、JTCを生き抜く最大の精神安定剤になります。

まとめ

本記事では、権威の後ろ盾を得た途端に強気になる「ミルグラム効果」の恐ろしさと、力ずくのマネジメントが引き起こす人間関係の崩壊について解説しました。

この記事のポイントをまとめます。

  • 権威(上司)からの指示を免罪符にすると、人は平気で他者に攻撃的になる(ミルグラム効果)
  • 力でねじ伏せようとするマネジメントは、強烈な反発を生み必ず破綻する
  • 人間関係が悪化した場合は即座に損切りし、社内公募や転職、FIREで環境を変えるべき

今回のケースで「何をやらせてもいい」と部下に丸投げした課長のように、絶対的な権力を持った人間は、そのポジションに就いた時点で必ず腐敗に向かいます。このことが起こる構造的理由は以下の記事で解説しています。

また、こうしたミルグラム効果が蔓延するような理不尽な環境を耐え抜き、JTCのピラミッドを登り詰めていく人間には、ある種の「異常な特徴」が備わっています。JTCの出世競争の残酷な現実と、そこから降りる選択肢については以下の記事で解説しています。