JTC(伝統的日系企業)において、社内のすべての部署が同じ水準で仕事をしているわけではありません。複数部署を経験すると気づく残酷な真実ですが、JTC内には明確な「部署のレベル格差」が存在します。
優秀な人材が集まる研究・開発部門がある一方で、いまだに紙の書類が飛び交い、重要なデータのバックアップすら取られていない「マズい部署」も確実に存在します。俗にいう「働かないおじさん」のような人が多かったりして、業務改善が完全に放棄されているのです。
優秀でモチベーションも高い人がそういう部署に配属されると、おそらく初日の時点でも何か違和感を覚えると思います。そして、そう遠くないうちに退職を検討することになると思います。
本記事では、私が過去の部署で実際に直面した「マズい環境」の巻き添えの実体験をもとに、そういった環境が個人のパフォーマンスをいかに奪うかという構造と、そこから抜け出すための合理的な生存戦略を解説します。
JTCの配属ガチャ。「マズい部署・環境」の巻き添え被害の実態
蔓延するサビ残の巻き添え。自己犠牲を美徳とする異常な価値観
JTCでは残業時間の管理が基本的に厳しいです。
労使協定によって上限が決まっていて、やむを得ず超える場合は経営側と労働組合側で協議をします。サビ残なんてもってのほか、というのが建前です。
ただ、マズい部署ではサビ残が常態化していたりします。
マズい部署では、なぜか自己犠牲を美徳とする価値観がありますね。
以前、仕事を優先するために、当然の権利である有休をあえて取らない「有給スルー」について記事にしました。
「有給スルー」という自己犠牲を続けていると、経営側は「事業は回っている」と誤認して人員不足が永遠に改善されません。
このことと同じで、サビ残していると「このくらいのアウトプットが普通」と会社側が誤認して、時間内で成果を出そうとしている人はアウトプットが少ないとみなされて妥当な評価がされなくなります。
あるいは巻き添えを食らって自分もサビ残をする羽目になります。
酷暑日に機能しない空調。仕事のインフラすら整えられない設備担当
2つ目は、夏のオフィス環境の問題についてです。
近年は連日のように40度を超える酷暑日が続きますが、私が過去にいたある部署では、ある年真夏になるとクーラーの効きが弱く、昼に近づくにつれて室温が上昇し、到底仕事に集中できる環境ではありませんでした。
テレビでも「異常な暑さ」と毎日言っていたのに、なぜ対策をしていないんだ、とかなりイライラしました。
空調は設備担当部署の所掌でしたが、彼らの言い分は「室外機が熱くなりすぎてクーラーが効きにくくなっている」というものでした。
しかし、同じフロアにある隣の部署の部屋に入ると、きっちりとクーラーが効いていました。つまり、隣の部署は異常な暑さにきちんと対応できており、こちらの部署の設備担当はできていなかったのです。
厳しい言い方をすれば、これは気候の問題ではなく「担当部署のレベルの違い」になります。仕事をする上で最低限必要なインフラすら整えられないマズい担当のせいで、私や他の社員の労働生産性が強制的に下げられたわけです。
部署の数十人のパフォーマンスを
時代遅れの手書き伝票。DXを拒絶し「現状維持」を好む現場の担当者
3つ目は、物品発送の手続きについての話です。
その部署では、社外に物品を発送する際、段ボールや封筒に貼り付ける発送伝票を各々が「手書き」で作成していました。
伝票を書いて物品に貼り付けて集荷場に持っていくのですが、他の部署から出された発送物品を見てみると記載内容はすべて綺麗にシステムから印刷されていました。ここでも明確なレベルの差が生じています。
手書きだと同じ宛先に送る際もコピペできず毎回書く必要があります。書き損じが発生する可能性もありますね。
配送会社の窓口となる部署の担当者が、過去のやり方を思考停止で踏襲し、世間でDXが叫ばれる中でも「現状維持」を続けてきた結果です。こうしたマズい事務処理に付き合わされることで、本来やらなくてもいい無駄な作業(伝票の手書き)に個人のリソースが奪われていきます。
無限に湧き出る書類の不備。他人の尻拭いで奪われる時間とスキル
4つ目は、マズい質のアウトプットを平気で出す人の「尻拭い」です。
ものづくりには各種仕様書や顧客提出用の書類が必須ですが、ここに不備をたっぷりと仕込んだまま放置する(あるいはそのまま退職してしまう)人達もいます。
発覚したタイミングで、その時いる人が修正を巻き取ることになりますが、修正内容自体は「間違った部材の名称を1行だけ直す」といった単純なものです。Wordの修正自体は数秒で終わります。ただ、JTCにおいてはこれを「承認」してもらう作業が途方もなく大変です。
以下の記事でも解説しましたが、JTCには責任を分散するための「スタンプラリー(ハンコ文化)」の慣習が根付いています。
たった1行直すだけのために、何人もの関係者に説明して回り、紙の書類にハンコをもらう途中で「ついでにここの誤字も直して」と差し戻され、また一から印刷し直して回覧する…という無駄な手間が無限に発生します。
1個の不備を直すだけでもしんどいのに、マズい人達はこれを大量に仕込んでからいなくなります。
最も恐ろしいのは、この不毛なスタンプラリーに付き合わされて他人の書類の不備を直し続けても、自分のスキルは一切上がらないという事実です。「仕事をやっている(忙しい)割に、仕事ができるようにならない(市場価値が上がらない)」という、最悪の巻き添え被害がここで発生します。
個人の努力は無駄。マズい部署・人間関係から逃れる(抜け出す)ための合理的な生存戦略
このようにマズい環境にいると、自分が本来持っている能力を発揮することは不可能です。
真面目な人ほど「他人は他人、自分は自分」と割り切って個人の努力で乗り切ろうとしますが、それは非合理的です。同じ組織にいる以上、必ずどこかでマズい人達の仕事の遅さや、非効率なシステムの「巻き添え」を食らいます。結果として、自分の仕事のレベルまで強制的に引き下げられてしまいます。
巻き添えを食らっている間にも、大切な人生の時間が流れていきます。
他人は変えられない。社内公募(異動)で環境を物理的にリセットする
他人のレベルや部署の体質を変えることは絶対にできません。こうした環境に直面した場合は、社内公募(異動)や転職で物理的に環境をリセットすることが考えられます。
JTC勤務のメリットの1つである「社内公募」を活用すれば、現在の給与や福利厚生を維持したまま、人間関係を含め環境を大きく変えられる可能性があります。
マズい職場の巻き添えを食らっていると気づいたら、物理的に距離を置くことが最優先です。
究極の防衛策。FIREで不幸な巻き添えから完全に脱出する
社内公募や異動で一時的に環境をリセットできたとしても、JTCという同じ組織に属している以上、またいつマズい部署に配属されるか分からない「配属ガチャ」のリスクは一生つきまといます。
だからこそ、投資による資産形成を加速させて「いつでも辞められる状態(FI)」を作るのが、目指すべき解となります。
マズい人達の尻拭いで、自分の大切な時間を搾取され続ける必要はありません。会社員生活から永遠に降りるための、これが最も合理的で確実な防衛策です。
まとめ
本記事では、JTC内に存在する「マズい部署」の実態と、そこに配属された際の合理的な生存戦略について解説しました。
この記事のポイントをまとめます。
- JTCには、サビ残の常態化や非効率な業務(手書き伝票や不毛なスタンプラリー)が放置された「マズい部署」が存在する
- マズい環境の巻き添えを食らうと、自分のパフォーマンスやスキルアップの機会が強制的に奪われる
- 他人や環境を変える努力は無駄。社内公募による異動や、FIREによる完全脱出を目指すべき
有能な人がマズい部署に配属されて非効率な業務の巻き添えを食らっても誰も得しません。自分が置かれている環境がマズい環境だと気づいたら早急に損切りし、自分自身の資産形成とキャリア防衛にリソースを集中させましょう。
「マズい部署」だけでなく、JTCで直面しやすい「マズい上司(上司ガチャのハズレ)」がなぜか生き残ってしまう理不尽な構造と、その生存戦略については、以下の記事で解説しています。
また、マズい環境以前に、そもそも「会社員」という立場自体が家畜や囚人と同じであるという残酷な真実と、そこからFIREで抜け出すべき理由については、以下の記事をお読みください。