このページでは証券担保ローンについて解説していますが、リスクのあるサービスなので、くれぐれも慎重にかつ自己責任で利用するようにしてください。また、私が楽天証券をメインに使用していることもあり楽天証券の証券担保ローンについての解説になっています。

背景

レバレッジ無しで資産形成を進めてきました。

ただ、やっぱり資産の増加スピードが遅いんですよね。

加速するには

  • 年収アップ
  • 節約
  • 副業

といったやり方があると思いますが、どれもそう簡単にはいきません。

特に、節約はある程度やると行き詰ります。

となると、やはり信用取引でレバレッジをかけたくなります。

そこで証券担保ローンを使ってお金を借りて、そのお金でさらに株を買って運用することを検討してみました。

借金は絶対にしないと決めていたのですが(笑)

借金=悪?

これまでは借金=悪と考えていました。

  • 借金をすると利息を支払わないといけないので損。一括で支払うべき。
  • 借金をすると支払いのプレッシャーでストレスがたまる。
  • 世間体がよくない。

というのが理由でした。

そのため、信用取引も信用口座は開設していますが使ったことはないです。

信用取引を使ったことがないため、実は優待クロスもしたことがないですね。

ただ、SNSを見ていると資産形成がうまくいっている人は割と信用取引も使っている印象です。

「少ない借金は悪だが、億を超えるような多額の借金は信用の証」と言ってる人もいますね。もう目から鱗です。

すごくまともそうな人が借金肯定派だったりするんですよね。最初は「え?」と思いました。

もちろん、生存者バイアスかもしれませんので、慎重になる必要があるとも思いました。

インフレ時の借金の優位性

2025年現在、物価がどんどん上がりインフレが進んでいますね。

インフレ時は借金をするのが賢い、という考えがあるようです。

例えば、100万円借りてゴールドを買い、その後インフレで物価が2倍になったらゴールドの価格も200万円になり、ゴールドを売ると100万円手元に残ります。

同じことが株に関しても言えそうです。

ただし、これはデフレの時には完全に逆になります。

お金の価値が相対的に上がることになるので、お金のままで持っておく方がいいとなります。

今後インフレは継続するか?

インフレが継続することが確実なら借金をすればいいわけですが、今後はどうなるでしょうか?

私は経済には全く詳しくないのですが、SNSを見ているとインフレ継続の確度は高そうですね。

根拠を簡単にまとめると、

  • ・日本の債務のGDP比が2倍超ある。
  • ・増大する社会保障費や減税によりさらに債務が拡大すると予想される。
  • ->そのため、インフレにより実質債務を削減するしかない。

となります。

社会保障費については団塊の世代が年金を受け取り始め、医療費も出費するようになるはずなのでますます増大するはずです。

また、一旦インフレが始まると貧困層救済のために減税政策も支持されるはずです。

このように考えると、”意図的な”インフレはしばらく必要になると思われます。

世の中何が起こるかわかりませんので、逆方向に行く可能性もあるんだと思います。難しいですね。

証券担保ローンとは?

借金の1つとして証券担保ローンがあります。

これは、自分が持っている株、投資信託等の金融資産を担保にしてローンを組めるサービスです。

以下に楽天証券の証券担保ローンを例として挙げます。(詳しくはHPをご参照ください)

まずポイントとしては、

  • 借り入れは1万円から可能
  • 使途は原則自由
  • 担保にしても配当、株主優待は受け取れる

となります。

配当、株主優待が受け取れるので、コストは利子だけになります。

使途について

基本的に自由に使っていいのですが、楽天証券が認めていない用途としては

  • 金融商品取引における損失の穴埋めやレバレッジ取引(信用取引、先物取引、FX取引等)に関わる委託証拠金
  • 楽天証券が取り扱う投資一任契約(楽ラップ等)の契約資金や募集・売出し有価証券の購入資金
  • 保険の契約資金
  • 事業の用途
  • その他、楽天銀行の判断により不適当と認めるもの

があります。

要は、お金がちゃんと返せるように、大きく減りかねない用途は制限しているということだと思います。

こういった制限はありますが、基本的に引っ掛かることはないような気はします。

有効な使い道としては、

  • 冠婚葬祭等の急な出費
  • 家を買う際の頭金などのまとまった出費

などが考えられます。

持ち株を売らずに資金調達できるのがポイントになります。

持ち株を売ると譲渡益に対して税金がかかってしまいますが、証券担保ローンを利用すると借入利子を払うだけで資金調達できます。

利率について

肝心の利率は、

借入残高借入利率(年利)
1,000万円超年1.875%
100万円超1,000万円以下年2.875%
100万円以下年3.875%

となっていて、個人的には100万円以下の年3.875%は高いと思います。

配当利回りと比較すると、高配当株でも税引き後で4%前後になるので、トントンくらいになってしまいます。

利率はできるだけ低い方がいいので、戦略としては「100万円超1,000万円以下」の範囲に入るように101万円を借りるところからスタートして年2.875%で運用し、できるだけ早く資産を増やして最終的には「1,000万円超」に入るように1,001万円以上借りるところまで行くのがいいかと思っています。

借り入れの限度額について

借入限度額は、

担保時価総額の60%

になります。

楽天証券以外の証券会社も大体50,60%くらいで横並びになっています。

担保に設定できる金融商品は、

  • 国内上場株式
  • 国内ETF
  • 国内REIT

になります。

個人的には投資信託も対象にしてほしいとは思いますが、外国上場株式、外国DTFも含めて他社ではすでに対象になっているため、そのうち対応されるのではと思っています。

また、気になる注意点として

前日終値で最低売買単元での売買代金が30,000円未満となった銘柄

は、担保にはできません。

ソフトバンク(23,360円@100株)、NTT(15,420円@100株)あたりは個人投資家で持っている人が多いと思うのですが、担保にはできません。

株価が小さいとストップ高、ストップ安の制限値幅の%が大きくなるので、証券会社が回収できないリスクがあるからでしょうね。

例:100円の場合、値幅制限50円のためストップ安で50%下がる。

持ち株を担保にした後、株式分割によって最低売買代金が下がり担保から外されてしまうリスクは意識しておいた方がよさそうです。

最近は売買単価を下げて売買しやすくするために株式分割するケースが増えていますが、証券担保ローンを利用する場合はデメリットですね。

リスクは?

当然リスクはあり、うまくコントロールする必要があります。

具体的には、担保融資比率を一定以下に抑える必要があります。

担保融資比率とは

計算式は、

担保融資比率 =(お借入残高(元本)+経過/未払利息+遅延損害金)÷担保時価総額

のようになっています。

お借入残高(元本)は、借りている総額です。

経過/未払利息は、利子の支払日が翌月の最初の営業日になるので、月末には1か月分の利子の額になります。

例えば、101万円借りていれば、年利2.875%なので、

経過/未払利息=101(万円)×0.02875×(30(日)÷365(日))=2,386.6…

となり、大体2,400円くらいの支払いになります。

遅延損害金は、銀行口座への入金を忘れたりして払えなかった利子の額です。

あまりないとは思いますが、もし損害遅延金が発生した場合年14.0%の利子が上乗せされてしまいます。

担保融資比率が上昇すると

担保にしている金融商品が値下がりすると、担保融資比率が上昇します。

担保融資比率が60%、85%を超えた場合に以下のような制限が課されます。

担保融資比率制限内容
60%超・新規の借入不可
・担保設定済み銘柄の担保設定解除不可
85%超・翌営業日寄付で担保に設定している銘柄全てを強制売却
・売却の取り消しは不可
・担保の売却代金は返済に充当され、残金があれば銀行口座に返金される

中々厳しいですね。

60%を超えた場合、新規の借り入れが不可になります。また、担保設定済みの銘柄は担保設定解除が不可になります。

担保銘柄を入れ替えようと考えていた場合は、この時点で設定を外すことができなくなります。

85%を超えた場合は、強制売却になります。もし、暴落の底で強制売却になった場合、その後のリバウンドをとれなくなってしまいます。

これは絶対に避けないといけないです。

60%の方も、制限がかかってしまうので避けるべきだと思います。

以下で計算してみましたが、60%の時点から85%の強制売却になるまでは2日連続ストップ安で到達します。

担保融資比率60%->85%はどの程度余裕があるか?

仮に、担保融資比率が60%の状態が担保時価総額100万円、借入60万円だとします。

追加担保設定、返済無しのままだとすると、担保融資比率が85%になると、担保時価総額70.6万円(60÷0.85)、借入60万円になります。

担保時価総額が100万円->70.6万円で29.4%安なので、2日連続でストップ安になったりすると到達してしまいます。

担保融資比率担保時価総額借入
60%100万円60万円
85%70.6万円60万円

この辺りの数字を踏まえて担保銘柄や担保融資比率を考えていく必要があります。

担保融資比率の目安は?

では、担保融資比率を何%にして運用すればいいか。

ネットで調べてみると20%くらいなら大丈夫と考えている人が多そうです。

データとしては、TOPIXの下落率を調べてみました。

過去の暴落直近最高値最安値下落率
リーマンショック1823.89@2007/02698.46@2009/0361.7%
コロナショック1747.20@2019/121199.25@2020/0331.4%

リーマンショックの時で、2年くらいで61.7%下落、コロナショックの時で、3カ月くらいで31.4%下落していました。

続いて、担保融資比率が担保資産の下落でどう変わるか計算してみました。

下落後の担保融資比率が60%、85%の2通りで計算しています。

下落後の担保融資比率が60%の場合

担保融資比率許容下落率
5%90.9%
10%83.3%
15%75%
20%66.7%
25%58.3%
30%50%
35%41.7%
40%33.3%
45%25%
50%16.7%
55%8.3%
60%0%

下落後の担保融資比率が85%の場合

担保融資比率許容下落率
5%94.1%
10%88.2%
15%82.4%
20%76.5%
25%70.6%
30%64.7%
35%58.8%
40%52.9%
45%47.1%
50%41.2%
55%35.3%
60%29.4%

表を見ると、例えば担保融資比率5%で借り入れを行った場合、90.9%下落したら担保融資比率60%になることがわかります。

攻める場合は、リーマンショックの61.7%を基準にして、暴落時にも85%に達しない担保融資比率を見ると30%になります。(許容下落率64.7%)

ただリーマンショックは2年近くかけて下落したので、途中で返済や追加担保設定をすることは可能と思います。

さらに攻める場合は、コロナショックの31.4%を基準にして、暴落時にも85%に達しない担保融資比率を見ると55%になります。(許容下落率35.3%)

ただ、個人的には攻めすぎに感じます。

理由は、

  • 過去よりも大きなショックが来る可能性がある。
  • 担保にする銘柄がインデックスではなく個別株で銘柄数も少ない場合、指数よりも大きく下がる可能性がある。
  • 下落時にも担保融資比率を60%以下に保ちたい。

などです。

個人的にはやはり安全寄りで考えるのがいいと思います。

安全寄りの場合、リーマンショックの61.7%を基準にして、暴落時にも60%に達しない担保融資比率を見ると20%になります。(許容下落率66.7%)

ネットで調べた人たちと同じ比率になりました。

なおかつ、私の場合これまで証券担保ローンを使ったことがなかったため、ひとまずより慎重に15%を目安にする方針にしたいと思います。

ひとまず、担保融資比率の目安を15%にして運用する方針。

この段階で、レバレッジは1.15倍になります。

担保融資比率の目安をまとめると以下の表のようになります。

安全度担保融資比率説明
~20%リーマンショック級(61.7%)の下落でも担保融資比率が60%に達しない。
20%~40%コロナショック級(31.4%)の下落でも担保融資比率が60%に達しない。
40%~暴落時に担保融資比率が60%を超える可能性がある。

借入で買った株も担保にできる(2階建て)

ここが重要なのですが、借入で買った株も担保にできます。

そのため、実際にはもう少しレバレッジを上げることができます。

担保を100万円、担保融資比率を15%として計算すると、

借入総額=100万円×15%+100万円×15%×15%+100万円×15%×15%×15%…≒176.5万円

参考)無限等比級数の和=a×r÷(1-r)

となり担保融資比率15%の場合は、レバレッジ1.18倍になります。

参考までに、担保融資比率に対するレバレッジを表にしておきます。

担保融資比率レバレッジ
5%1.05倍
10%1.11倍
15%1.18倍
20%1.25倍
25%1.33倍
30%1.43倍
35%1.54倍
40%1.67倍
45%1.82倍
50%2.00倍
55%2.22倍
60%2.50倍

担保設定する銘柄のポイント

証券担保ローンの仕組みを踏まえると相性の良い銘柄、悪い銘柄があると思います。

相性の良い銘柄

値動きの小さい銘柄が挙げられると思います。値動きが小さいと暴落時にも担保融資比率が上がりにくいので安心して借入することができます。

投資はメンタル面も大事です。

こういった銘柄だと安全域を小さくする、つまり担保融資比率を上げるという戦略もとることができると思います。

また、銘柄数も重要だと思います。

銘柄数が増えると、つまり分散投資していると値動きが小さくなるので、先程と同様に担保融資比率が上がりにくくなり安心です。

そういった意味だと、オルカンやTOPIX、SP&500連動型の投資信託、ETFが一番相性が良いと思います。

楽天証券は未対応なので、今後に期待です。

できない事情があるんでしょうか?

株主優待投資とも相性が良いと思います。

優待投資家は、優待単元だけ買おうとするため必然的に銘柄数が増えるためです。

相性の悪い銘柄

相性が良い場合と真逆の銘柄になります。

値動きが大きい銘柄だと大きく下がる可能性があるため、担保融資比率を上げづらくなります。

また集中投資している場合も、やはり値動きが大きくなってしまうため担保融資比率を上げづらいです。

私の場合

私の場合は、これまで右往左往していろんな個別株を買ってきたため現状は値動きが指数に近くなっています。

そのため、結果的に証券担保ローンと相性がよく導入しやすい、ということになりました。

証券担保ローンを長期で使う場合の戦略は?

私の場合の話になりますが、証券担保ローンの前にそもそもの投資戦略として、短期売買はうまくいく気がしていませんので、基本的に長期保有をすることにしています。

そのため、証券担保ローンで借り入れたお金で株を買っても、基本的には売りません。

それを踏まえて、方針としては

  • 利子だけ払い続けて元本は返さない。
  • 直近の担保総額の高値から15%を上限に借入を増やしていく。
  • 借入で買った株も担保に入れてレバレッジを上げる。

になります。

借入は101万円からスタートする

楽天証券の場合、借入残高に応じて借入利率が変わってきます。

借入利率の表を再掲すると、

借入残高借入利率(年利)
1,000万円超年1.875%
100万円超1,000万円以下年2.875%
100万円以下年3.875%

のようになっていますので、もし資産が十分ある場合は1,001万円以上を借りるのがいいと思います。

ただ、私の場合は資産額が十分ではありませんので、いきなり1,001万円は無理です。

また、100万円以下の場合は借入利率が上がってしまうため、101万円以上でスタートするのが良さそうです。

私の場合101万円から始めて100万円ずつ増やしていこうと思っています。

必要な担保総額についても計算してみます。

101万円を担保融資比率15%で借り入れるのに必要な担保総額は、

  • 再投資しない場合は、101÷0.15=673万円
  • 再投資する場合(2階建て)は、101÷0.15-101=572万円

となります。

私がもし0円から資産形成をするとしたら、572万円あたりをめどに101万円借り入れると思います。

小まとめ

楽天証券の場合、借入のスタートは101万円が合理的。

その場合に必要な担保総額は

  • 再投資しない場合は、673万円
  • 再投資する場合(2階建て)は、572万円

借入が667万円を超えたら一気に1,001万円まで借入をした方がいい

借入を増やしていき1,001万円を超えたら借入利率が1.875%まで下がります。

基本的にここを目指すのがいいと思います。

ただここで、借入総額を100万円ずつ増やしていった時の支払い利子を表にしてみます。

すると借入総額701、801、901万円の場合は1,001万円の借入をした場合より支払い利子が高くなっています。

支払い利子が逆転してしまっている状態です。

借入総額借入利率(年利)支払い利子(年)支払い利子(月)
100万円3.875%38,750円3,229円
101万円2.875%29,038円2,420円
201万円2.875%57,788円4,816円
301万円2.875%86,538円7,211円
401万円2.875%115,288円9,607円
501万円2.875%144,038円12,003円
601万円2.875%172,788円14,399円
701万円2.875%201,538円16,795円
801万円2.875%230,288円19,191円
901万円2.875%259,038円21,586円
1,001万円1.875%187,688円15,641円

この結果を踏まえると、戦略としては701万円借り入れるタイミングで1,001万円借り入れるのが支払い利子が少なくなるのでよさそうです。

ただ、借入を増やすと担保融資比率が上がってしまうため、リスクが上がってしまいます。

担保融資比率15%、再投資あり(2階建て)という条件で運用したい場合に、借入を701万円から1,001万円に増やすと、

  • 担保総額は701万円÷0.15-701万円=3,972万円
  • 担保融資比率は1,001万円÷(3,972万円+1,001万円)=20%

となり、担保融資比率が運用目標の15%から20%に上がってしまいます。

これを回避するために、701万円の借入をする段階では、1,001万円借り入れて701万円のみ使い残りは株を買わずに現金で保有しておきます。

すると、「実質」の担保融資比率を低く保つことができます。

「実質」の担保融資比率を低く保つ

701万円を借入する段階で1,001万円を借入すると、担保融資比率が「名目」上は上がります。(15%->20%)

しかし、もし暴落が来た場合は残しておいた現金300万円を返済して「名目」の担保融資比率を下げます。

このようにして、「実質」の担保融資比率を低い状態に保つことができます。

したがって、701万円の借入をする段階になったら1,001万円借入して701万円のみ使って残りは現金で保有しておく、というのが1つの解になりそうです。

そして、この例はあくまで100万円ずつ借りていく場合の話なので、厳密な分岐点は667万円になります。

小まとめ

667万円の借入をする段階になったら1,001万円借入した方がいい。

1,001万円のうち、667万円のみ使って残りは現金で保有しておき、暴落が来たら返済する。

ということで証券担保ローンを組んでみた

まずは101万円から開始して今は201万円になります。

担保融資比率は8%です。

担保にできる銘柄をすべて担保設定すると担保融資比率はもう少し低くなりますが、あえて高くして気持ちを慣らしていっています。

投資にはメンタルも重要です。

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