「もし落ちたら、今の部署に居づらくなるのでは…」 社内公募を検討する際、誰もがこの不安に駆られます。
さらに、通常の業務とは違い、上司への報告タイミングや面接の準備など、社内公募特有の「作法」がわからず二の足を踏む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、私の実体験をもとに、応募から異動までの具体的なフェーズごとの注意点と、対策について解説していきます。
私の会社の例になります。会社によって異なる点はあるはずなので、その点はご留意ください。
社内公募の「審査の裏側」。上司の許可は本当に不要か?
社内公募の審査について、重要なことをいくつか書いておきます。
リファレンスは不要。
リファレンスは「現役社員の推薦」の意味ですが、私の会社の社内公募制度ではリファレンスは不要でした。
社内のポータルサイトに求人一覧がありますので、その中から興味のある求人を選んで自由に応募できます。
一通り見ましたが、リファレンスが必要と書いている求人はありませんでした。
応募先の職場の部課長が、現職場の社員にヒアリングを行うこともありません。
制度として同僚に知られずに応募できることが担保されています。
考課は直近1年分しか見られない。
社内公募で合格するまでは考課は直近1年分しか見られません。
そのため、合否判断に使われるのは直近1年分のみです。
社内公募を利用するひとは、
- 現職で十分活躍で来ていて、さらなるキャリアアップをしたい(考課がいい)
- 現職で何か問題を抱えていて、現状を打開したい(考課が悪い)
の両パターンあると思います。
考課がいい人はもっと見てほしいと思うかもしれませんが、考課が悪い人は1年分だけでいいので助かることもあるかもしれません。
おそらくですが、考課にはいわゆるスコアだけでなく人物像についても良いこと悪いこと色々書かれているはずです。
直属の上司の許可は要るか?
直属の上司の許可は不要です。
何も言わずに応募して選考を進めることができます。
もちろん、上司との関係性によっては応募する旨を伝えても構いません。
ただ、私は伝えない方がいいと思っています。少なからず「仲間意識」があるはずで、抜けようとすると関係がギクシャクする可能性があります。他の同僚にも伝わっていく可能性もあります。
キャリアについて普段から相談できるような間柄であれば、何か力になってくれるかもしれませんね。
現職場にバレないかは念押しで人事に聞いてもいい
私もそうでしたが、現職場の同僚に「動き」がバレると居づらくなるリスクがあり正直不安です。
社内公募のポータルサイトのQ&Aを見ても「応募していることが現職場の同僚に知られることはない。」とはっきり書いているのですが、それでも本当かと思ってしまいます。
不安な人は多いんじゃないでしょうか。
私の場合は、応募前に念押しで人事の社内公募窓口に確認しました。
すぐに回答が来て、「知られることはない。」とのことでしたので、まあ大丈夫かなと思い制度を利用することにしました。
応募から異動が確定するまでに2カ月近くかかる
思ったより時間がかかります。
- ESを出した後、合格の連絡が来る。(次の日くらい)
- 面接の日程調整をして面接実施。(2週間後くらい)
- 合格の連絡が来る。(数日後)
- 異動の意思を伝えて異動先の職場と現職場の間で異動日の調整をする。(最短で数週間後に設定される)
といった感じです。
1回不合格になると、再チャレンジで合格して異動するまで2カ月はかかると思っておいた方がいいです。
早く異動したい人にとっては苦しいですね。ですが、淡々と進むしかないです。
ポジションの選び方。「火中の栗」を拾うのもアリ!?
興味があるポジションを選ぶ。
これに尽きると思います。
「これまで積み上げたスキルを軸に」と考える場合は、社外転職の方が合っている気がします。
ジョブチェンジしやすいのが社内転職の利点なので、自分に正直にやりたいことに挑戦するのがいいと思います。
もちろん、合格する保証はありません。不合格が続いたら路線変更も検討必要だと思います。
あえて人が抜けている部署を選ぶのも一案
人手不足で職場から人がどんどん抜けているというのをよく聞きます。
人が減ると雰囲気も悪くなり、仕事もこなしきれなくなります。
今の職場がこんな感じです。(笑)
そのため、一般論で言うとそういったポジションは避けた方がいいはずです。
ただ、人が減ると一人ひとりの重要性が高まります。
ジョブチェンジで未経験になる場合は少しでも存在価値を上げたいので、このことは逆にチャンスととらえることもできます。
「辞められると困る」となるからですね。
また「早く教えて戦力にしたい」と考えるはずなので、人数が少ないうちにスキルを伸ばすというのも1つの生存戦略です。
あえて「火中の栗を拾う」ような選択もいいかもしれません。
ES攻略:SEのスキルを捨てて「募集要件」に合わせろ
まずはエントリーシートを提出しないと始まりません。
私は合計2回応募したため、2回エントリーシートを書きました。
結果は、1回目はエントリーシートで落ちました。
2回目はエントリーシートで合格、面接でも合格して社内転職に成功しています。
要件がマッチしていることをアピールする
エントリーシートで落ちる可能性は確かにあります。
ただ、正直あまり気にしすぎなくていいんじゃないかと思います。
そもそも就活等で同じ会社の選考をパスして社員になっていますので、大きな問題はない人物のはずです。
募集要項を読んで、
- 要件を満たしていること。
- モチベーションが高いこと。
あたりを書いておけばエントリーシートで落ちることはあまりないんじゃないかと思います。
この時点では、そのくらいしか判断する要素が無い気がします。
募集要件にマッチしていないとやはり落ちる
そうは言うものの私は1回目は落ちています。
原因について考えると、募集要件にマッチしていないことが原因だったと思います。
応募理由は、その部署で製造している製品がちょっと独特で技術的に面白そうと思ったからでした。
SEのスキルは何も生かせそうになかったですが、面白そうかどうかという観点で選びました。
ただ、仕事内容が若干営業っぽく、「製品についてお客さんに説明する」みたいに書いていたと思います。
これまで、SEでソフトウェア開発をしていたので営業の要素は皆無です。
ですが製品に興味を持ったため、「SEで培った論理的思考力を生かして、お客さんにわかりやすく説明できます。」みたいにゴリ押しのような理由を書いたのですが、「募集している内容と合わないようです。」のような回答があり落ちました。
エントリーシートの段階なので「熱い志望動機を直接語る」といったことはできず、この時はこれで終わってしまいました。
ちなみに、この時点までは人事としかやり取りしていません。応募先の部課長から返信があるわけではありません。
社内面接のリアル。何を聞かれ、こちらから何を聞くべきか
エントリーシートをパスした後は、面接になります。
社内公募の場合面接は1回なので、この1回の面接をパスすれば異動が可能になります。
面接する時間帯
人事とメールでやり取りし、面接の日程を決めていきます。
面接は(原則?)オンラインで行います。
面接時間は1時間です。
日程については休日や平日の21:00くらいまで可能です。
現職での業務中に行うと上司や同僚にばれてしまう可能性があるため、このように業務時間外にもできるようになっています。
私は前職ではテレワークができていたためバレる心配はなく、自宅で夕方ごろに実施しました。
面接の参加者
面接の参加者は、
- 応募先の部署の課長(上司になる人)
- 応募先の部署の部長
- 別の部署の部長(?)
- 人事
でした。
面接の流れ
最初に参加者全員が一言ずつ挨拶をしました。
次に課長から、部署で担当している製品や業務内容について説明がありました。
前職がSEで主にテレワーク勤務であったため、異動するとテレワークがほとんどできなくなるという説明を受けたりしました。
その後はいくつか質問されたり、こちらから質問して終了しました。
どういう質問をされたかは正直あまり覚えていません。(笑) エントリーシートに書いていることを改めて聞かれたのかと思っています。
こちらからどういう質問をするか
こちらからも質問ができますので、疑問があれば解消しておくのがいいと思います。
私もいくつか質問して、ほとんど覚えていませんが、
私:「メンバー間の風通しはいいですか?」
課長:「私が言うのも何ですが、良いと思います。」
というやりとりをしたのは覚えています。
入ってからわかったのですが、これは嘘でした。(笑)
課長とメンバーの仲が悪かったです。
また何人かに話を聞くと、それが原因で直近で何人か退職していました。
こういうポジションも紛れてますよね。(笑)
この経験を踏まえると、以下のようなことを質問しておくのがいいのではないかと考えます。
- ここ3年で退職や社内転職したメンバーはいますか。
- 現時点で退職予定の社員はいますか。
- 新しいメンバーが入ってくる予定はありますか。
職場の雰囲気は大事なので、このタイミングで確認しておくのがいいと思います。
合格後の「出口戦略」。スマートに去る立ち回り
合格通知
合格通知は人事からメールできました。
宛先、CCは人事だけです。
このメールで、「合格したので異動できるが、異動することでいいか。」という最終的な意思の確認をされます。
この時に、「テレワークはほぼできないが問題ないか。」という応募先の部署からの追加質問が添えられていました。
面接でも聞かれましたが、念押しされました。(笑)
「問題ありません。異動します。」と回答しました。
これで異動が確定しました。
異動が決まったことを現職場に伝える
この時点では異動が決まったことを現職場の同僚は上司含め誰も知りません。
そのため、まず上司に伝える必要があります。
人事からは、
- 「人事から」上司に伝える
- 「自分から」上司に伝える
のどちらにするかメールで聞かれます。
これは上司との関係性を踏まえて判断すればいいと思います。
私の場合は「人事から」伝えてもらうことにしました。
もし現職場からの引き止めがあったら
もし、異動先の部署に異動する意思を伝えた後、現職場から引き留めがあったらどうすべきか。
私の場合、引き留めはなかったので正直わかりません。(笑)
雰囲気的には「やっぱり撤回して、今の職場に残ります!」と言うこともできそうに思いました。
社内公募制度は社外転職と違っていい意味で緩い部分がある雰囲気なので、どうしても悩んだら人事に相談してもいいと思います。
ただ、撤回となると色んな人に迷惑が掛かりますので、こうならないように最終的な意思を伝える時点で自分の気持ちをしっかり確認しておきたいところです。
異動の時期は人事と現部署の間で決める
次に異動のタイミングですが、
- 現職場で抱えている仕事の区切り
- 異動先の職場の状況
などを踏まえて決めていく必要があります。
ただこれは、人事と現職場、異動先の職場の間で相談するため、私は人事からの連絡待ちでした。
そして、この回答が遅かったです。
やり取りの中に私は入っていませんのでわかりませんが、現職場が回答をしなかったんだと思います。人間関係が良くなかったのもありますが、出ていく人間には冷たいです。
人事に催促したら、動き出したようでした。
異動先の職場は人手不足ですぐにでも来てほしいとのことで、辞令の期日よりも数日前に業務を開始することになりました。
少しでも変だと感じたら、人事に連絡して動いてもらうのがいいと思います。
早く異動したいという意向があれば、それも人事にはっきりと伝えておくのもいいと思います。
異動までの期間について
異動が決まった後、実際の異動までの期間は社内公募の制度としては2週間から半年になっています。
これは、現職場でのプロジェクトの区切りや異動先の職場の状況で決まります。
社内公募制度で異動した人を何人か知っているのですが、ある人は現職場で退職者が出たため少しでも長くいてほしいため、2カ月半くらい先になったそうです。
人事に早く異動したいと伝えたそうですが、ダメだったようです。
社内公募は現職場の意向も汲む感じがありますね。社外転職の場合はこんなことないと思います。
まとめ
私が社内公募制度を利用して社内転職をした流れを書きました。
社内公募制度の中身は会社によるでしょうし、社内向けの制度なので外からはわからないと思います。
あくまで一例になりますが、社内転職を検討している人の参考になればと思います。
▼あわせて読みたい
この記事では「戦術(How)」を解説しましたが、そもそもなぜ私が社外転職ではなく社内転職を選んだのか?その「生存戦略(Why)」の全貌はこちらの記事で解説しています。